「会計ソフトのやよいは無料で使えるって聞いたけど本当?」
「無料でどこまでできるの? 確定申告もできる?」
「他の会計ソフトの無料版に比べると、何が違うの?」
本記事では、そんな方の疑問に回答していきます。
ゆるり会計士@海外在住
- やよいの青色申告オンラインのセルフプランは1年間無料で、確定申告もできます。
- やよいの白色申告オンラインのフリープランはずっと無料。ただし白色申告用であり、青色申告はできません。
- 無料期間が長く、確定申告もできるのがやよいの無料プランの特徴。青色申告申請をした方は、青色申告を選んでください。
会計ソフトは、事務処理を効率化するだけでなく、税金の苦手意識や不安も解消してくれる便利なツールです。
まずは無料登録で気軽に使ってみて、本格利用後のイメージを持ってください。
目次
やよいの無料プランは3種類 | 青色申告するなら青色「セルフプラン」
やよいの無料プラン3種類
「やよい」は、弥生会計によるクラウド型会計ソフトで、個人事業主向けサービスです。
そして、freeeやMFクラウドなど他のクラウド型会計ソフトと違い、やよいの場合、青色申告用と白色申告用のソフトが別々で用意されています。
- やよいの青色申告オンライン
- やよいの白色申告オンライン
そのうえで、やよいを無料で利用するには以下の3パターンがあります。
- やよいの青色申告オンラインのセルフプランの1年間無料
- やよいの青色申告オンラインの2ヶ月間の無料体験版
- やよいの白色申告オンラインのフリープラン
これを表にまとめると次の通り。
青色申告 セルフ | 青色申告 お試し | 白色申告 フリー |
|
---|---|---|---|
無料 期間 | 1年間 | 2ヶ月 | ずっと |
決算書 作成 | 青色 決算書 | できない | 収支 内訳書 |
確定 申告 | できる 青色申告 | できない | できる 白色申告 |
このうち、やよいの青色申告オンラインの2ヶ月の「無料体験版」は、一部の機能を無料でお試し利用できるもの。
セルフプランに比べて期間が短いうえ、決算や確定申告機能が含まれていません。
なので、青色申告をする方の場合、基本的に「無料体験版」を利用するメリットはなく、セルフプランがおすすめになります。
青色申告するなら青色「セルフプラン」
やよいの青色申告オンラインのセルフプランは、1年間無料で、かつ確定申告機能を含むすべての基本機能を備えています。
したがって、無料で青色申告をしたい方にはピッタリのプランになります。
それに対し、白色のフリープランは、あくまで白色申告用の確定申告ソフト。
ずっと無料なのがありがたいですが、青色申告はできません。
したがって、白色のフリープランをおすすめできるのは、以下のような方が対象になります。
- 青色申告特別控除(最大65万円)を利用してメリットを得るほどの所得額がなく、白色申告をする方
- 来年からは青色申告をするが、今年は申請が間に合わず、白色申告をする方
- 副業で雑所得がある方(白色のフリープランで確定申告はできないですが、収入や費用の集計に利用したい方)
青色申告「セルフプラン」のメリット/デメリット
やよい青色申告のプラン3つの比較
やよいの青色申告オンラインには、3つの有料プランがあります。
セルフ | ベーシック | トータル | |
---|---|---|---|
料金 初年度 | 無料 | 6,900 | 12,000 |
料金 2年目~ | 8,800 | 13,800 | 24,000 |
基本 機能 | 取引入力 帳簿 確定申告 レポート | 取引入力 帳簿 確定申告 レポート | 取引入力 帳簿 確定申告 レポート |
サポ ート | (なし) | チャット メール 電話 画面共有 | チャット メール 電話 画面共有 業務相談 |
表を見ると分かる通り、セルフプランの場合、当初1年間の利用が無料となっています。
セルフプランでできること
セルフプランを含むすべてのプランにおいて、決算書の作成や確定申告など、会計ソフトの基本機能はすべて利用できます。
具体的には、以下のような機能を利用できます。
- 取引入力(スマート取引取込含む)
- 仕訳帳や試算表などの必要帳簿の作成
- 所得税の確定申告書の作成・提出
- 消費税の確定申告書の作成・提出
- 各種レポートの作成
「スマート取引取込」は銀行口座などの取引データを自動取込みできる、便利な機能です。
セルフプランの無料期間は1年間ですので、いつ使い始めても、無料期間中に必ず1回は確定申告ができることになります。
freeeやMFクラウドの無料プランは、短期間のお試し利用を意図しており、確定申告機能までは付いていません。
ゆるり会計士@海外在住
セルフプランでできないこと
他方で、セルフプランの場合、サポート機能が一切ついていません。
上位のベーシックプランであれば、チャット、メール、電話でのサポートに加えて、画面共有サポートができます。
これに対してセルフプランではチャット含めサポートを一切利用できないので、自力で記帳や確定申告を行う必要があります。
会計や確定申告の知識、そして会計ソフトの利用経験がある方であれば、サポートなしでも乗り切れるはずです。
やよいのウェブサイトでは利用方法のマニュアルやガイダンスが充実しています。
なので、未経験の方であっても、普段の記帳処理や確定申告で少し苦労するとしても、最後までやり切れる方が多いと思います。
ただ、場合によっては、何かの問題で進めずに困ってしまう可能性も。
そんなときに役立つのがサポート機能。自分で気づかなかったことを指摘され、あっさり解決することも多いです。
特に未経験の方が、サポート機能なしで、普段の記帳処理や確定申告をやり切れるかどうかは、事前には分からないところです。
なので私のおすすめとしては、まずはセルフプランの無料で利用開始してみることです。
そして、サポートなしではキツイと感じる場面に遭遇したら、有料プランへの移行を考えましょう。
この場合、そのままやよいで使い続けたい方は、やよいのベーシックプランに変更しましょう。
詳細は以下でも説明しますが、プランの変更手続きは簡単です。
それに対して、やよいの利用画面に馴染めない方は、やよい自体が合わない可能性もあります。
この場合、freeeやMFクラウドなど他のソフトを試してみることをおすすめします。
特にfreeeは初心者にも使いやすいインターフェースで有名なので、freeeを無料で試してみるのがいいです。
ゆるり会計士@海外在住
人にもよりますが、会計ソフトの利用には、ある程度の試行錯誤が必要です。
このことを頭に入れて、やよいのセルププランを使い始めましょう。
セルフプランの無料利用に関する留意点
セルフプランの1年間無料の利用にあたっては、他にも以下3点に注意してください。
- 無料利用開始前にクレジットカード情報の入力が必要
- 1年後は自動更新され、料金の引き落としあり
- 無償キャンペーンは2022年3月15日まで
開始時にクレジットカード情報入力
一般に、会計ソフトのお試し利用の開始時には、クレジットカードの情報の入力は不要です。
これはfreeeやMFクラウドでもそうですし、やよい青色申告オンラインの2ヶ月お試し利用の場合も同様です。
他方、青色のセルフプランは有料プランであり、その中で無償キャンペーンのため、クレジットカード情報の入力が必要になります。
もちろん、上位プランに変更しない限り、1年間は料金を引かれることはないので、その点はご安心ください。
1年後の自動更新で料金が発生
上記に関連しますが、1年間の無料期間が終了すると、自動更新され、2年目の料金8,000円(税抜き)が請求されます。
利用を続ける方は問題ないですが、利用を続けるか迷っている方は注意が必要です。
1年間の無料期間が終わる前に、継続するかどうかを決めること。継続しない場合は解約の手続きを忘れないようにしましょう。
無償キャンペーンは2022年3月15日まで
無償キャンペーンは、2022年3月15日までとなっています。
まだ「やよいの青色申告オンライン」の利用を決めていない方も、セルフプランを登録しておくのをおすすめします。
無料なので損はないですもんね。他の会計ソフトを考えている方も、とりあえず登録しておくとお得です。
ゆるり会計士@海外在住
白色申告「フリープラン」のメリット/デメリット
やよい白色申告のプラン3つの比較
やよいの白色申告オンラインには、3つの料金プランが用意されています。
- フリープラン
- ベーシックプラン
- トータルプラン
そして以下は、公式サイトから抜粋した、各プランの料金や機能・サポート体制の比較図になります。
これをまとめると、各プランの料金や機能・サポート体制は、以下の表の通りとなります。
フリー | ベーシック | トータル | |
料金(税抜) | 無料 | 8,000
(初年度4,000) |
14,000
(初年度7,000) |
基本操作機能 | ◯ | ◯ | ◯ |
操作サポート
(チャット・ メール・電話 ・画面共有) |
✕ | ◯ | ◯ |
業務相談
(仕訳・経理、 確定申告など) |
✕ | ✕ | ◯ |
フリープランでできること
フリープランを含むすべてのやよい白色申告プランでは、日常の記帳に加え、収支内訳書の作成や確定申告など、会計ソフトの基本機能をすべて利用できます。
日常の記帳では、スマート取引取込が使えるので便利です。銀行口座などの取引データを自動で取り込んで仕訳できる機能です。
白色申告に特化したソフト、そしてそれをずっと無料で利用できるプラン。
freeeやMFクラウドなど他のソフトにない、やよいの大きなメリットです。
フリープランでできないこと
やよい白色申告のフリープランでは、以下の3点はできません。
青色申告ができない。
当然ではありますが、青色申告ができません。
なので、青色申告をしたい方が、青色のセルフプランを利用せずに白色のフリープランを使うことはできません。
白色フリープランには「ずっと無料」の魅力があるので使いたいと考える方も多いですが、青色申告のメリット(青色申告特別控除は最大65万円)の方が大きいので、冷静に判断しましょう。
中には、フリープランで無料で帳簿作成して、青色の確定申告だけ自力でやろうという方もいるかもしれません。
これは、やってできなくはないかもしれませんが、おすすめはできません。
やよい白色申告で作成できるのは、白色申告書と収支内訳書です。
これに対して、青色申告するには、青色申告書と青色申告決算書が必要になります。これらの書類はやよい白色申告では作成できません。
なお、来年からは青色申告だけど、今年だけ白色申告という方も中にはいるでしょう。
白色申告プランから青色申告プランへの変更はスムーズにできるので、その点は安心です。
サポート機能を利用できない。
白色のベーシックプランでは、チャット・メール・電話でのサポートを利用可能です。
それに対して、フリープランではサポート機能を一切利用できません。
なので、日常の記帳から確定申告までをサポートなしで自力でやりきる必要があります。
操作でつまづいて進めない場合には、上位プランに切り替えることも考えないといけないと思います。
コスト面を考えると自力でやり抜くに越したことはないですが、サポートがないせいで時間を浪費しては元も子もありません。
白色のベーシックプランは初年度4,000円。この金額で効率的に確定申告までやり切れるのであれば、選択肢の一つになると思います。
freeeやMFクラウドの無料プランとの比較
他の有名ソフトであるfreeeもMFクラウドにも無料プランはありますが、いずれもお試し目的であり、確定申告まではできません。
やよいのセルフプランであれば、1年間の利用そして確定申告までできるので、無料で青色申告をしたい方には、やよいのセルフプラン一択となります。
なお、やよいのセルフプランも一年後は有料に変わります。
やよいで満足な方はそのまま使い続ければいいですが、そうでない場合は継続するかどうかを決める必要があります。
その意味では、事前にfreeeやMFクラウドなど他のソフトの使い勝手も試しておくのがおすすめです。
【参考】プラン変更の手続きと料金負担
青色のセルフプランから青色のベーシックプランへの変更
セルフプラン利用中にサポート機能が必要になった場合、この変更が必要です。
現在より上位のプランに変更するときは、即時にプラン変更が可能です。
料金については、当初の年契約の期間はそのままで、プラン変更日の翌月1日から月割で上位プランの料金が適用されます。
なので、セルププランの無料時に上位プランに変更するときの追加支払額は、以下の算式で計算されます。
追加支払額 = 上位プランの月額換算額 x セルフプランの残月数
白色のフリープランから白色のベーシックプランへの変更
フリープラン利用中にサポート機能が必要になった場合、この変更が必要です。
白色でも、現在より上位のプランに変更するときは、即時にプラン変更が可能です。
料金については、プラン変更日の翌月1日から上位プランの料金が適用されます。
白色のフリープランから青色のセルフプランへの変更
フリープラン利用中に青色申告を行うことになった場合、この変更が必要です。
この場合、現在より上位のプランに変更するときと同様に、即時にプラン変更が可能です。
料金については、プラン変更日の翌月1日から青色申告セルフプランの料金が適用されます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
やよいは他の会計ソフトに比べて無料プランが充実しています。
本記事で無料で最大限活用する方法を解説しました。
本記事をおさらいすると以下の通りです。ご自分の状況に合わせて、活用してください。
- 無料期間が長く、確定申告もできるのがやよいの無料プランの特徴。
- やよいの青色申告オンラインのセルフプランは1年間無料で、確定申告もできます。
- やよいの白色申告オンラインのフリープランはずっと無料。ただし白色申告用であり、青色申告はできません。