副業やフリーランスを始めた人のための税金講座【初心者向け】

こんにちは、shinmai42です。

今年になってから、フリーランスや副業で稼ぎ始めた方も多いと思います。
今回はそうしたフリーランスや副業を始めた方向けに、税金についての記事を書きました。

税金のことを知らないでいると、後で損をしたり、大変な思いをしたりすることになります。
なので、税金のことについて最低限の知識は持っておきましょう。

ちなみに私は本業は公認会計士をやっています。
現在は海外在住のため日本で税理士登録はしていませんが、日本では税務業務の経験がありますので、記事の信頼性という意味ではご安心ください。

副業やフリーランスの方が知っておくべき税金としては以下の4税目が重要ですので、順に紹介していきます。

  • 所得税
  • 住民税
  • 事業税
  • 消費税

所得税について副業やフリーランスの人がまず最初に知っておくべきこと

所得税における所得の種類

まず所得税ですが、これが一番重要というか、これを押さえておけば、他の税目も恐るに足りずです。

所得税の対象となる所得は10種類に分類されます。一応列挙しておくと、次の通り。

利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得

10種類を覚える必要は全くなく、副業やフリーランスの方の所得は通常は給与所得事業所得雑所得のどれかになります。

副業が給与所得の場合

本業の他にパートやアルバイトなど雇用契約のもとで収入を得ている方の場合、その収入は給与所得になります。

この場合、通常、確定申告が必要になります。

他にもいくつか留意点がありますが、別の記事で解説します。

事業所得と雑所得の違い

続いて、雇用契約以外の受託・受注などで、副業やフリーランスの収入を得る方について。

副業やフリーランスの方が最初に考えるべきことは、自分の所得が、事業所得に該当するか、それとも雑所得に該当するかです。

基本的には事業所得に該当すると有利なのですが、一定の条件を満たさない限り、税務署も事業所得とは認めてくれません。

ある所得が「事業所得」に該当するためには、以下の諸要素を総合的に勘案して客観的に判断する必要があります(過去の判例による)。

  1. 営利性・有償性の有無
  2. 継続性・反復性の有無
  3. 自己の危険と計算による企画遂行性の有無
  4. その行為に費やした精神的・肉体的労力の程度
  5. 人的・物的設備の有無
  6. 資金の調達方法
  7. その経済的行為の目的
  8. その行為をすることにより相当程度の期間継続して安定した収益を得られる可能性の有無、
  9. その者の職歴・社会的地位・生活状況

少し難しいかもしれませんが、フリーランスの方が生活のために得ている収入であれば、基本的には事業所得に該当すると考えられます。

他方、サラリーマンで副業をしている方の場合、労力や収入の面で給与所得と遜色ないレベルになっていない限り、副業収入は雑所得に該当すると考えて差し支えないでしょう。

ちなみに、雑所得の定義はどういうものかというと、所得には10種類あると上で書きましたが、雑所得以外の9種類の所得のどれにも該当しないもの。これが雑所得になります。

収入と所得の違い

  • これまで「所得」という用語を使ってきましたが、「収入」と「所得」は意味が異なるため気をつけてください。
  • 大ざっぱに言うと、「所得 = 収入 - 経費」です。
  • つまり、もらった収入全額が課税を受けるのではなく、収入を得るために使ったコストは差し引いてよいということになります。

どの支払いが経費として認められるか

  • 経費になるものの具体例としては、パソコン代(10万円以上の場合4年間で償却)、通信費、交通費、消耗品費、家賃、(打合せや商談などのための)飲食代などがあります。
  • もちろん、これらの費用が副業やフリーランスの個人事業に関係ない私的な支出であれば、経費としては認められません。
  • 詳しくは、別の記事でも紹介する予定です。

副業所得20万円以下なら、申告不要なの?

  • フリーランスや副業の所得が年20万円以下であれば、所得税の申告は不要です。ただ、この場合、住民税の申告を別途行う必要が出てきます。
  • そのため、「手間を減らすために副業の所得を20万円に抑えよう」などという発想は、意味がないことになります。

開業届って提出しなきゃいけないの?

  • 個人事業主としての事業所得を得ることになった場合、開業届を税務署に提出する必要があります。
  • 開業届は、事業を開始してから1ヶ月以内に提出することになっていますが、遅れても罰則はありませんので、なるべく早く提出するようにしましょう。
  • 開業届の作成は、ソフトを使うとかなり簡単です。

青色申告って何?やった方がいいの?

  • 事業所得として申告を行うと、青色申告特別控除が受けられるなど、税制面で有利になります。
  • 青色申告特別控除を受けるためには、開業届に加え、青色申告承認申請書を税務署に提出する必要があります。
  • 青色申告特別控除を受けるためには、複式簿記による記帳を行い、貸借対照表と損益計算書の作成が必要です。

所得税の税率

普段からやっておくべきことは何?

上記の通り、確定申告は年に1回で済みますが、普段からやっておくべきこともあります。

というのも、発生した経費は所得から引かれるため、経費は税金を減らす効果があります。

したがって、自分の収入のためにどのような経費が発生しているかは常々意識するとともに、しっかりと領収書などの証拠書類を保管しておく必要があります。

青色申告を行うためには帳簿の作成が必要ですが、会計ソフトを使えば簡単に管理できます。

年に一回やるべきこと

副業で、年間の給与所得や雑所得が20万円を超えた方は、翌年の3月15日までに、所得税の確定申告をしなければなりません。

上述のとおり所得と収入は違いますので、20万円以上の収入があっても、経費を控除して所得が20万円を下回るのであれば、原則として確定申告は不要となります。ただし、この場合でも、住民税の申告はしなければなりませんので、注意してください。

開業届を提出して、事業所得がある方については、所得の金額によらず、確定申告書を提出する必要があります。

住民税

住民税の基本的な仕組み

住民税は、ある年の所得に対する住民税を、翌年の6月以降に納付する仕組みの地方税です。

会社員であれば、翌年の6月から5月の一年間の給与支払いの際に、会社が住民税を天引きして、納付してくれます。これを「特別徴収」といいます。

これに対して、副業やフリーランスの方は、「普通徴収」という方法で、自分の所得に対する住民税を納付する必要があります。

手続きとしては難しいところはなく、確定申告または住民税の申告を行った方には、6月に納付書が届きますので、それに従って、納付するだけです。

納付方法としては、銀行振替やクレジットカード、コンビニでの支払いなどもでき、便利です。

支払うタイミングについては、1年分の一括払いか、年4回の分割払いかを選ぶことができます。一括払いの場合は6月末までに、分割払いの場合は、それぞれ6月末、8月末、10月末、翌年1月末までに納付する必要があります。

住民税の内訳と税率

住民税は、所得に対して標準税率10%で課される「所得割」と、市町村に住んでいることから発生する定額(標準税率は5,000円)の「均等割」の2つで構成されています。

どの都道府県や市町村に支払うかは、1月1日時点での住民票に基づき決まります。

副業やフリーランスの人がしなければならない手続きは?

通常、所得税の確定申告書を提出していれば、住民税の申告書を提出する必要はありません。

というのも、所得税の確定申告書の中に「住民税・事業税に関する事項」という欄があり、ここに必要事項を記載して提出しておけば、各地方自治体が住民税の額を計算して、納税者に通知するためです。

例外的に、給与所得や雑所得などが20万円以下で、確定申告書を提出しない場合には、副業やフリーランスの所得に係る住民税の情報が地方自治体に行かないため、住民税の申告書を提出する必要があります。

事業

事業税は、個人事業主に対して課される地方税です。事業所得が年290万円超の個人事業主に課されます。

つまり、事業所得が年290万円以下であれば、事業税は発生しません。

住民税と同様に、所得税の確定申告書の中に「住民税・事業税に関する事項」という欄があり、ここに必要事項を記載して提出しておけば、各地方自治体が事業税の額を計算して、納税者に税額を通知します。

税率は法定の業種の分類によって異なり、3%から5%となりますが、ほとんどの業種の税率は5%になっています。

個人事業税には、法定業種に該当しない業種もあり、その場合は、事業税の対象外、つまり事業税がかかりません。具体的には、ライター、翻訳業、漫画家、画家、音楽家、スポーツ選手、芸能人などがあります。

個人事業税の納付期限は、翌年の8月末と11月末であり、年間の税額を2回の分割払いで納付することになります。

なお、税額が10,000円以下になる場合は、8月末に一括納付する必要があります。

消費税

副業やフリーランスでも、収入が大きくなれば、課税事業者として自分の収入に対して消費税を預かり、その消費税を国に納付しなければならなくなります。

原則として、前々年度の売上が1,000万円または前年1月1日から6か月間の売上高が1,000万円を超えない限りは納税義務がありませんので、消費税については、副業やフリーランスの所得が相当大きくなってから考えれば大丈夫です。

消費税の詳細は、別の記事で書きたいと思います。