【副業の税金】事業所得と雑所得のちがい | 青色申告特別控除のメリット

副業の確定申告は事業所得のほうが雑所得より有利って聞いたけど、どういう違いがあるの?

 

どういう場合に事業所得で申告していいの?

 

事業所得で確定申告するには、何をすればいいの?

税金の知識がない副業初心者の方は、分からないことが多くて不安になりますよね。

私は公認会計士で、現在は海外在住ですが、日本と海外で10年以上税務業務をクライアントに提供してきました。

ゆるり会計士@海外在住

今回は、以下の点を順に解説していきます。
  1. 副業の所得は雑所得に該当することが多い
  2. サラリーマンの副業の所得が「事業所得」と「雑所得」のどちらに該当するかの判定基準
  3. 事業所得で確定申告した場合のメリット
  4. 事業所得で確定申告する場合のTo Do

結論から言うと、副業を始めたばかりの時点では、副業は雑所得に該当する場合が多いです。

でも、もし副業が事業所得に該当すると、節税により20万円くらいのお金を手元に残せる場合も多く、そうなると生活への影響も大きいです。

仮に今の時点では「事業所得」に該当しない方も、将来の節税のためにも、制度の内容をよく理解しおきましょう!

副業の所得は「雑所得」になることが多い

所得税の確定申告は所得の種類ごとに計算するため、自分の所得がどの種類に該当するかを知る必要があります。

サラリーマンの副業としては、たとえば次のようなものがあります。

サラリーマンの副業の例
  1. 原稿料
  2. アフィリエイト
  3. Web制作
  4. フリーマーケットやオークションでの利益
  5. FX
  6. 撮影料

これらの所得も規模が大きくなれば事業所得になりますが、始めたばかりで本業の片手間の場合、基本的には雑所得になります。

詳しくは以下の判定基準をもとに判断する必要がありますが、事業所得の方が有利なので、税務署も簡単には副業を事業所得と認めたがらない傾向があります。

ちなみに、雑所得の定義は、雑所得以外の9種類の所得(利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得)のどれにも該当しない所得。こういう風に決まっています。

事業所得と雑所得の判定基準

事業所得と雑所得の判定基準は、実は法律で明確には決まっておらず、過去の判例を踏まえて考えないといけません。

そのため、以下に挙げた諸々の要素を総合的に勘案して、事業所得に該当するかを客観的に判断する必要があると考えられています。

事業所得に該当するためには、以下の基準を全部満たす必要はありませんが、大体のものは満たす必要があると言えます。

  1. 営利性・有償性の有無
  2. 継続性・反復性の有無
  3. 自己の危険と計算による企画遂行性の有無
  4. その行為に費やした精神的・肉体的労力の程度
  5. 人的・物的設備の有無
  6. 資金の調達方法
  7. その経済的行為の目的
  8. その行為をすることにより相当程度の期間継続して安定した収益を得られる可能性の有無、
  9. その者の職歴・社会的地位・生活状況

営利性・有償性の有無

簡単に言うと、お金を稼ぐために対価を得て副業をやっているかどうか。多くの場合、この条件はクリアできると思います。

継続性・反復性の有無

どのくらい繰り返し副業を続けていればこの条件を満たすかは明確ではないです。

ただ、やらない時期が一定期間続くような副業だったりすると、継続性・反復性がないとみなされそうです。

自己の危険と計算による企画遂行性の有無

自分のアイデアや労力をつぎ込み、今後の計画も立て、それに伴うリスクも負いながら副業をやっているかどうか、といったところでしょうか。

片手間の副業だと、この条件を満たすのは難しいかもしれないですね。

その行為に費やした精神的・肉体的労力の程度

たとえば、本業と副業に費やす時間や労力が8:2くらいの割合だとすると、副業は事業とは認められにくいです。

本業も副業も心血注いでやっていて副業も片手間ではないという方は、場合によっては税務署にも説明できるように、説明材料をしっかり準備しておく必要があるでしょう。

人的・物的設備の有無

どれだけ環境やモノに投資して副業を行っているかということですね。そうした投資が大きいほど、事業として認められやすくなります。

資金の調達方法

銀行などからお金を借りて事業をやっているほうが、事業とみられやすいということ。当然といえば当然ですが、副業の方にはハードルが高いですね。

もちろん、お金を借りていないと事業として認められないわけではなく、ほかの基準も含めて総合的に判断します。

その経済的行為の目的

これはちょっと分かりづらいですね。ちょっと小銭を稼ぐために仕事をしたとかではなく、もう少し大きな目的を持っているとか、経営理念を持って事業を行っているほうが事業として見られやすい面はあります。

その行為をすることにより相当程度の期間継続して安定した収益を得られる可能性の有無

これは重要な基準ですね。副業だけで、現在から将来も含め、生活していくに足りる収益を得られるかどうかということ。

特に副業を始めたばかりの方には、少しハードルが高い基準と思われます。

その者の職歴・社会的地位・生活状況

副業に関係する職歴は何かあるか、副業だけで一定の社会的地位や生活水準を得ることができているかどうか、ということ。

この基準も、副業を始めたばかりだと、クリアするのは簡単ではなさそうですね。

ここまでのまとめ
 以上、9つの判定基準を見てきましたが、ご自身の状況に照らして、いかがでしたでしょうか。

 

副業の所得を事業所得扱いしたいのであれば、上記の判定基準をよく理解しておき、仮に税務署に聞かれても、自信を持って説明できるように準備しておきましょう。

ゆるり会計士@海外在住

ご自身の所得が雑所得に該当しそうな方は、下記の別記事で雑所得の場合のTo Doを説明しているので、ご覧ください。

https://shinmai42.net/tax-other-income/

副業が事業所得になれば、青色申告が可能

続いて、副業が事業所得になる場合のメリットですが、青色申告を行うことができる点になります。

青色申告をする場合のメリットを簡単にまとめると、以下の4点になります。

  1. 青色申告特別控除
  2. 青色事業専従者給与
  3. 30万円未満の少額減価償却資産の特例
  4. 純損失の繰越しと繰戻し

上記のうち、最も広く使われているのは、①の青色申告特別控除です。

ゆるり会計士@海外在住

青色申告特別控除を使えると、事業所得から最大65万円を引くことができ、その分だけ課税所得を減らすことができます。

たとえばですが、1年間の給与収入が500万円くらいの方であれば、65万円の青色申告特別控除により、税額を約20万円減らすことができます。

手元に残るお金が約20万円増えるわけですから、青色申告特別控除を使わない手はないですよね。

節税額のシミュレーション
所得税: 65万円×20%*=13万円 

住民税: 65万円×10%=6.5万円

節税額合計: 13万円+6.5万円=19.5万円

*給与収入500万円の場合、副業の雑所得の増減部分に対する所得税率は20%。国税庁の税率表を参照。

事業所得で確定申告する場合のTo Do / 会計ソフトを使えば、青色申告のハードルは高くない

青色申告を利用するためには、以下の2点の対応が必要になります。

初めての方には難しそうに感じるかもしれませんが、実は、会計ソフトは使えば簡単です。

(1) 事前の申請手続き

青色申告を行う場合、初めて青色申告をする年の3月15日まで(その年に新たに事業を開始した場合は、事業開始から2カ月以内)に、開業届青色申告承認申請書を所轄の税務署に提出しなければなりません。

開始日をいつにするかは、それほど厳格に考える必要はないです。適切な日を自分で設定し、2ヶ月以内に間に合うように提出しましょう。

クラウド会計ソフトでシェアNo.1のfreeeが出している「開業freee」を使うと、開業届と青色申告承認申請書を無料で作成できます。

ゆるり会計士@海外在住

私も使ったことがありますが、必要情報を入力するだけで提出書類が簡単に作成され、とても便利でした!

(2) 帳簿や決算書などの作成

青色申告を行うにあたって、開業後は、以下のような書類を作成する必要があります。

青色申告の条件 (作成する書類)
  • 複式簿記の方法で記帳した仕訳帳
  • 総勘定元帳、現金出納帳、固定資産台帳などの帳簿
  • 青色申告決算書(貸借対照表、損益計算書)を確定申告書に添付して提出
何ですか、これ… 会計の知識がない自分には出来なさそうです。。

相談者

ゆるり会計士@海外在住

難しそうですが、実は会計ソフトを使えば簡単です。まずは会計ソフトを無料トライアルを利用してみましょう。

なぜ簡単かというと、freeeなどのクラウド型会計ソフト(他には、マネーフォワードクラウドやよいが有名です)を使うと、次のようなことがほぼ自動で出来てしまうからです。

  • スマホのカメラ機能でレシートを取り込み、会計ソフト(AI)の提案に従って記帳する
  • 銀行口座やクレジットカードを連携しておけば、自動的に事業に関連する収支を取り込める。記帳も会計ソフト(AI)の提案に従えば簡単

各会計ソフトの特徴については、別記事で解説していきます。

まとめ

副業の方にとっての事業所得と雑所得の判定基準や、事業所得に該当する場合のメリット(特に青色申告特別控除)がお分かり頂けたでしょうか。

確かに、副業を始めたばかり方にとっては、自分の所得が事業所得だと言えるレベルまで到達するのが、少し大変かもしれません。

しかし、事業所得にさえ該当してしまえば、今は会計ソフトも進化していますので、青色申告を行うことは以前に比べて非常に簡単になりました。

青色申告できるようになると、金銭的なメリットも大きいので、副業をがんばる励みにしましょう!