開業届の書き方・記載例 | フリーランスや副業の方むけに会計士が解説

「開業届を提出しようと思うけど、書き方を教えてもらえますか?」

 

「記載するときに、何か気をつけたほうがいいことってあるの?後で損にならないようにしたいです。」

 

「記載例とか書き方のマニュアルがあると助かるんだけど。。。」

本記事は、これから開業届を提出しようという方のそんな疑問に答えていきます。

私は公認会計士で、現在は海外在住ですが、日本と海外で10年以上税務業務をクライアントに提供してきました。

結論から言うと、以下の記載例を見て頂ければ、開業届に記入するのは難しくありません。

また、開業届と同時に青色申告承認申請書を提出するのが普通なので、並行して進めていきましょう。

ゆるり会計士@海外在住

ひとつひとつクリアして、個人事業主としての最初の一歩を踏み出していきましょう。

開業届の書き方・記載例

以下が開業届(正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」)になります。 国税庁のサイトでダウンロードまたは直接記入できます。 開業届

① ___税務署長
納税地を管轄する税務署名を記載します。納税地は、以下の③に従って決まります。 管轄の税務署は、こちら(国税庁の公式サイト)で調べられます。

② __年__月__日提出
提出日を記入します。記入している当日の年月日を記載すれば問題ありません。

③ 納税地
「住所地」「居所地」「事業所等」のうち該当するものを選択し、下にその住所と電話番号(携帯電話の番号でもOKです)を記入します。

  • 住所地: 住民票のある住所のことです。原則として、住所地を納税地として記載します。
  • 居所地: 住民票とは別に主として居住する場合がある場合には、その住所を納税地として記載します。
  • 事業所: 自宅とは別の事務所で事業を行っている場合、その事務所を納税地として記載できます。

④ 上記以外の住所地・事業所等
原則として空欄で構いません。 自宅と事務所が別にある場合や事業所が複数ある場合のみ、納税地以外の住所地や事業所を記載します。

⑤ 氏名
個人事業主であるあなたの氏名を記入します。 印刷した開業届に、印鑑を忘れないようにしましょう。実印でなく認印で構いません。

⑥ 生年月日
自分の生年月日を記入します。

⑦ 個人番号
12桁のマイナンバーを記入してください。

⑧ 職業
自分の仕事内容を書きます。

副業やフリーランスの方ほど書き方に迷うかもしれません。一般的によくある職業の例としては、以下のようなものがあります。

  • イラストレーター
  • ライター
  • デザイナー
  • Web制作
  • 中古衣料販売
  • 広告業
  • 講師
  • 家事代行業

また、以下のとおり、記入にあたっては個人事業税についても知っておきましょう。

職業によって、個人事業税の課税の有無が異なってくるため、注意してください。  

 

個人事業税は、70種類ある「法定業種」(東京都のサイト)に該当する事業で、年290万円超の所得を得る個人事業主に課されます。  

 

多くの職業が法定業種に該当しますが、たとえば、ライター、翻訳業、漫画家、画家、音楽家、スポーツ選手、芸能人などは該当しません。  

 

実際には、確定申告書の「職業」欄の記載内容によって、都道府県が個人事業税の課税の有無を判断します。  

 

ただし、「職業」欄の記載が重要であることは、あらかじめ知っておきましょう。

⑨ 屋号
屋号とは、お店の名前など、個人事業に名称を付ける場合の名称のことです。

屋号を持たないなら、空欄のままで問題ありません。

屋号にはメリットも多いので、詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。

 

>> フリーランスが屋号を持つ3つのメリット | 開業届に記載しよう

⑩ 届出の区分
新規開業の場合は「開業」とその下の「新設」にチェックを入れます。それ例外は空欄でOKです。

⑪所得の種類
事業を始めて開業届を出す方は、「事業所得」にチェックを入れてください。

家賃収入がある方は「不動産所得」にチェックします。「山林所得」は、山林の伐採による売上がある方のみ対象です。

⑫開業・廃業等日
開業日を記載します。

青色申告の利用のために、青色申告承認申請書における開業日をいつにするかが重要です(詳しくはこちらの記事をご参照ください)。

 

開業届は、開業日から1ヶ月以内に提出することとされていますが、遅れても問題になることはないようです。  

 

したがって、開業届の開業日は、青色申告承認申請書における開業日と合わせるのが無難です。

⑬事業所等を新増設、移転、廃止した場合
新規開業の場合、空欄にします。

⑭廃業の事由が法人の設立に伴うものである場合
廃業ではなく新規開業の場合、空欄にします。

⑮開業・廃業に伴う届出書の提出の有無
所得税の青色申告承認申請書や、消費税の課税事業者選択届出書の提出の有無を記載します。

青色申告承認申請書は、青色申告のメリットを享受するために、開業届と同時に提出すべきものになります。
>> 青色申告のメリットの解説記事
>> 青色申告承認申請書の書き方についての記事

消費税の課税事業者選択届出書は、提出不要と理解しておけばOKです。固定資産投資などで巨額の支出が先に発生する場合のみ、消費税の還付を受けるメリットが生じる可能性があります。

⑯事業の概要
職業の箇所に記入した内容をより具体的に書きましょう。たとえば「ライター」であれば、「Webメディア向け金融記事の執筆」などが考えられます。

あまり難しく考えずに書けばOKですが、販売する商品・サービスの特徴やカテゴリー、販売の仕方などに着目すると書きやすいと思います。

⑰給与等の支払いの状況
開業時から給与の支払いが発生する場合のみ記入します。そうでなければ空欄でOKです。

記入する場合の注意点
  • 「専従者」欄は、雇用する人が配偶者や親、子の場合に記入します。
  • 「給与の定め方」欄は、「日給」「月給」「月給+賞与」などと記入します。
  • 「税額の有無」欄は、その区分の一人でも月約8万円を超えるなら「有」を選択します。

⑱源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の提出の有無
給与の支払いをしない場合、空欄でOKです。

給与対象者が常時10人未満の場合は、給与の源泉徴収税額の納付を、毎月ではなく年2回にまとめて実施できます。その申請書を提出する場合は「有」にチェックします。

⑲給与支払を開始する年月日
給与の支払いをしない場合、空欄でOKです。

⑳関与税理士
税務業務を依頼している税理士がいなければ、空欄でOKです。  

 

以上、いかがでしたでしょうか。

少し迷う項目もあったかもしれませんが、開業届に記載すべき内容がお分かり頂けたと思います。

開業届の税務署への提出方法 | 税務署に持参、郵送、電子申告(e-tax)

開業届の書き方に続いて、その提出方法についても解説しておきます。

提出用と控えを作成

ひとつ重要な留意点として、手元に1部控えを残しておいたほうが良いため、提出用と控えを作成するのが望ましいです。

提出先の税務署への提出方法

ゆるり会計士@海外在住

控えにも税務署の受領印をもらうことができ、提出した証拠になるので安心です

提出の仕方は、(1)税務署に持参、(2)郵送、(3)電子申告(e-Tax)の3通りの方法があります。

提出の仕方
  • (1) 税務署に持参して提出するのが簡単で、お勧めです。特に所轄の税務署に行ったことがない方は、行って雰囲気を知っておくといいです。
  • (2) 郵送でも提出できます。この場合、自宅住所を記載した返信用の封筒と切手も同封する必要があります。
  • (3) 電子申告(e-Tax)で提出することもできます。電子申告のやり方は、こちらの記事をご参照ください。

提出にあたっては、本人確認書類の提示(持参の場合)、または写しの提出(郵送の場合)が必要になりますので気をつけてください。

>> 本人確認書類(写)添付台紙

詳しくは国税庁のサイトで説明されています。

開業届に関する重要知識3選

副業で開業届を提出するメリットとデメリット

フリーランスなど専業で個人事業を行っている方は、開業届を提出する方が得だし、本来提出が必要です。

それに対して副業の方の場合は、開業届を提出するメリットとデメリットがあるので要注意です。

 

デメリットが特に気になると思いますが、失業保険をもらえなくなる可能性や、会社に副業がバレる可能性を考える必要があります。

このあたりは別記事で詳しく書いていますので、ご覧ください。

【質問】副業を始めたら開業届を提出する?しない?【回答】雑所得なら不要です

青色申告承認申請書も同時に提出する

開業届を提出するときに、所得税の青色申告承認申請書も提出することが大事です。

青色申告を行うと、最大65万円の青色申告特別控除など、金銭的なメリットを得られるためです。

青色申告承認申請書の書き方については、以下の記事をご参照ください。

 

>> 青色申告承認申請書の書き方【3つの落とし穴に注意】| 記入例あり

開業freeeを使うと効率的

少しでも効率的に開業届を作成したい方は、会計ソフトで有名なfreeeによる開業freeeを利用するとよいでしょう。

開業freeeは、質問に答えていくだけで自動で青色申告承認申請書を作成してくれるので、負担が軽くかつ安心です。

 

また、開業届だけでなく、青色申告承認申請書も同時に作成できるのも便利なところ。

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自力で記入や提出しようとすると負担も大きいので、開業freeeを使う方が増えています。

開業freeeの使い方については、別の記事で詳しくまとめましたので、ご参照ください。

開業freeeなら無料で開業届を簡単に作成!使わないと損する理由3つ

>> 公式開業freee (最短5分で無料作成)      

質問に答えていくだけで勝手に開業届を作成してくれるので、便利かつ安心です。

また、開業届だけでなく、青色申告承認申請書も同時に作成できます。

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自力で記入や提出しようとすると負担も大きいので、開業freeeを使う方が増えています。