副業の確定申告のやり方 | すぐに分かる所得税の3つの要点

よくある相談
  • 副業収入は雑所得として確定申告すればいいって聞いたけど…
  • そもそも、副業を始めたら税金関係で何をやる必要がある?
  • 副業の税金は、大体いくらかかるの?

税金の知識がない副業初心者の方は、分からないことが多くて不安になりますよね。

税金の知識がないままでいると、後になって申告や納税が必要なときに慌てることになります。

ゆるり会計士@海外在住

でもご安心ください!ポイントを押さえるだけなら簡単。細かい知識は後回しにして、要点を理解していきましょう!

私は公認会計士で、現在は海外在住ですが、日本と海外で10年以上税務業務をクライアントに提供してきました。

先に結論
  • 多くの場合、副業初心者の所得は雑所得になります。
  • 普段は収入と経費をしっかり記録に残し、翌年3月15日までに確定申告を行いましょう。
  • 本業の給与水準によるものの、副業に対する所得税は5%から20%、住民税が10%が目安になります。

詳しくは、以下でご説明します。

本記事を読むと、税金に関するTo Doが明確になります。税金の不安を解消して、副業でどんどん稼いでいきましょう!

副業の所得は雑所得として申告します(例外もあり)

所得には色々な種類があるのを理解しよう

副業で稼ぐようになると、所得税を払う必要があります。

(所得税以外にも住民税、事業税、消費税もありますが、副業収入が300万円くらいまでだと、他は住民税だけ知っておけば大丈夫です。)

所得税の対象となる所得は10種類に分類されます。一応列挙しておくと、次の通り。

利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得

たとえばweb制作やデザイン、ライター、アフィリエイトなどの副業を始めた方の所得は、基本的には上記のうち雑所得というカテゴリーに入り、雑所得としての課税を受けることになります。

ただし、次のような場合は、副業でも雑所得以外のカテゴリーになります。

  • パートやアルバイトなど、お給料をもらう副業の場合
    • 給与所得に該当
    • 雇用主が所得税を源泉徴収して納付
    • 主たる給与を払う雇用主に年末調整をしてもらい、確定申告も行う(副業分と合算した所得に直して再計算)
  • 副業でも事業として継続して行っている場合
    • 事業所得に該当する可能性
    • 事業所得の方が雑所得よりも税金面で有利
    • ただし片手間の副業の場合、事業所得とは認められないので要注意
    • 事業所得と雑所得の区別については、別記事を参照
  • 株式投資をしている場合
    • 配当所得または譲渡所得に該当
    • 通常は源泉徴収で納税しているので、特に何もしなくてもOKです
  • 不動産の賃貸をしている場合
    • 原則として不動産所得に該当
    • 確定申告が必要になります

「収入」と「所得」の違い

さて、ここまで「所得」という用語を使ってきましたが、「収入」と「所得」は意味が違うので気をつけましょう。

大ざっぱに言うと、以下の関係があります。

所得 = 収入 - 経費 (雑所得 = 雑収入 - 経費)

つまり、副業でもらった収入をそのまま申告するのではなく、収入から経費を引いた金額を所得として申告すればいいのです。

言い換えると、経費の分だけ節税できるので、副業をする上では経費についての知識をもっておくことが重要になります。

経費として認められる支払い

では、どういう支払いが経費として認められるのでしょうか?

ゆるり会計士@海外在住

基本的には、収入を得るために必要な出費はすべて経費になります。

逆に言うと、経費に上限は設けられていませんが、収入と関係のない出費は経費にできません。

経費になるものの主な例としては、次のようなものがあります。

経費になるものの主な例

  • パソコン代
  • 通信費
  • 文具代
  • 書籍など、学習のための費用
  • (打合せや商談などのための)交通費、飲食代

もちろん、これらの費用が副業に関係ない私的な支出であれば、経費としては認められません。

また、パソコン代は、金額によっても処理が異なります。

特定の支払いが経費として認められるか分からない場合、Googleでその費目名と「経費」の組み合わせで検索して調べてみましょう。

副業を始めたら、税金関係でやる必要があること

普段からやっておくべきこと

副業が雑所得に該当する方にとっては、副業のために発生した経費のレシートや領収書をまとめて保管しておくことが重要になります。

まずは、副業に関係するレシートや領収書を一か所に集めておく習慣を身に付けましょう。

ただ、支払いが多くなってくると、日々の管理や後々の集計が大変になります。

それに、時間が経つとレシートを見ても何を買ったのか忘れてしまいます。

レシートに手書きで内容を書き込んでおくとよいのですが、忘れずに続けるのは大変です。

またエクセルで整理する方法もありますが、間違えずに管理しようとすると、骨が折れます。

そんな方にとっておすすめなのが、クラウド型の会計ソフトです。

ゆるり会計士@海外在住

副業の方にとって、クラウド型会計ソフトの最大のメリットは、レシートや領収書をスマホで取り込んで、記録・保管できることです。

これにより、経費データの集計もれやミスの心配がなくなります。

クラウド型の会計ソフトの主なメリットは次のとおりです。

クラウド型会計ソフトのメリット

  • レシートや領収書をスマホで取り込んで、記録・保管できる。
  • 銀行口座やクレジットカードの明細のデータを自動で取り込める。
  • 取り込んだ内容をAIが適切に帳簿処理できる。
  • 月1,000円程度で利用できる。一部、無料でも利用可能。

代表的な会計ソフトとしては、freeeマネーフォワードクラウドやよいがあります。

副業で雑所得のみがある方については、お金をかけて高いプランに加入する必要はありません。以下の2つのプランのどちらかを利用すればよいでしょう。

  1. freeeのスタータープラン
    • 少しお金がかかっても、機能重視で会計ソフトを選びたい方むけ
    • 副業収入がある方向けの確定申告方法(簡単モード)という雑所得向けの申告機能があり、簡単に確定申告まで出来る
    • 料金は、月1,180円か年11,760円ですが、登録すれば最初の30日間は無料で利用可能です。30日過ぎても自動課金はされないので、まずは登録を。
  2. やよいの白色申告 オンラインのフリープラン
    • お金を一切かけずに済ませたい方むけ
    • このプランは、期間の制限なく無料で使えます!
    • ただし雑所得向けの申告機能はないので、確定申告は自分で別途行う必要があります。
    • 日頃の収入や経費をクラウドで記録・整理しておくことにより集計の労力が減らせるメリットがあります。

ゆるり会計士@海外在住

自分だったら、迷わず「やよいの白色申告オンライン」のフリープランを使います!無料なので、絶対に損することはないですから。

年に一回やるべきこと ― 確定申告 (雑所得が年20万円以下なら住民税のみ申告)

副業で、年間の雑所得が20万円を超えた方は、翌年の2月16日から3月15日までに、所得税の確定申告と納付をしなければなりません。

会計ソフトを使っている場合、それまでに取り込んだ収益や費用のデータをもとに申告ができるので、とても簡単です。

なお、確定申告書の中には「住民税に関する事項」という欄があります。

 

ここに記入すれば、実質的に住民税の申告もしたことになります。

 

住民税は後払いなので、申告時点では納付しません。

これに対し、年間の雑所得が20万円以下の場合は、雑所得に所得税はかからず、住民税のみが課されることになります。

この場合、所得税の確定申告は不要ですが、住んでいる地域の地方公共団体に住民税の申告を行う必要があります。

ゆるり会計士@海外在住

所得税と住民税の申告や納付の手続き・時期については、別記事で説明しています。

>> 所得税と住民税の申告や納付の手続き・時期のまとめ

副業の所得に対する税金の計算方法

所得税の税率は以下の通りで、課税所得のレンジごとに異なる税率が適用されます(課税所得が高くなると税率も高くなる「累進課税」になっています)。

課税される所得金額 税率 控除額
1,000円超 1,950,000円まで 5% 0円
1,950,000円超 3,300,000円まで 10% 97,500円
3,300,000円超 6,950,000円まで 20% 427,500円
6,950,000円超 9,000,000円まで 23% 636,000円
9,000,000円超 18,000,000円まで 33% 1,536,000円
18,000,000円超 40,000,000円まで 40% 2,796,000円
40,000,000円超 45% 4,796,000円

では、副業の所得に対する税率はどう決まるでしょうか?

副業の所得がある方は、給与所得と副業の所得を合算して税額を計算する必要があります。

設例①
副業以外の課税所得が2,000,000円、副業の所得が1,000,000円の方の場合、副業の所得に対する税率は?

この場合、副業により課税所得が2,000,000円から3,000,000円に増えています。

この副業による増加部分の所得は、上の表の「1,950,000円超 3,300,000円まで」に入っていますので、10%の税率が適用されます。

つまり、副業の所得1,000,000円に対して10%ですので、100,000円の所得税がかかることになります。

設例②
では、副業以外の課税所得が3,000,000円、副業の所得が1,000,000円の方の場合だと、副業の所得に対する税率は?

この場合、上の税率表より、合計の課税所得が3,300,000円までの部分は10%、3,300,000円超4,000,000円までの部分は20%の税率になります。

したがって、副業の所得1,000,000円のうち最初の300,000円は10%、残りの700,000円は20%。

つまり、300,000円×10%+700,000円×20%=170,000円の所得税がかかることになります。

ゆるり会計士@海外在住

なお、所得税以外に住民税もかかるので、注意してください。住民税の税率は常に一定の10%です。

そのため上記のいずれの場合も、住民税は、1,000,000円×10%=100,000円となります。

「給与収入」と「課税所得」の違い
補足ですが、課税所得は、給与所得控除や所得控除(基礎控除、配偶者控除など)を引いて算出されます。

 

「副業以外の課税所得が2,000,000円」という上記の設例は、給与収入が2,000,000円という意味ではなく、給与収入から給与所得控除や所得控除の金額を引いた後の金額である点にご注意ください。

以上をまとめると、給与収入の金額にもよるものの、多くの方の場合、副業の所得に対して所得税が5%から20%、住民税が10%がかかると想定しておくとよいでしょう。

ゆるり会計士@海外在住

ざっくり計算でいいので自分の副業所得に対する税額を事前に想定し、手元に納税資金を残しておきましょう!

まとめ

本記事では、副業の方の所得税の基礎について解説してきました。

副業収入があると、確定申告など納税の責任が発生しますが、会計ソフトを利用することなどにより、効率的に対処することも可能です。

本記事で税金についての理解を深めることにより、税金に対する漠然とした不安が少しでも解消されたのであれば幸いです。