【感想あり】電子申告(e-Tax)で簡単に確定申告する方法 | 2021年3月完全版

「電子申告(e-Tax)って、どうやるの?」

 

「電子申告のやり方って分かりづらい。簡単な説明はないの?」

 

「色々なやり方があるみたいだけど、一番簡単な方法を今すぐ知りたい!」

本記事は、そんな疑問を持つ人が電子申告の全体像を理解するための記事です。

ゆるり会計士@海外在住

私は公認会計士で、現在は海外在住ですが、日本と海外で10年以上税務業務をクライアントに提供してきました。

さて、先に結論から。

色々なやり方を試してみたけど、以下のどちらかが一番簡単です。

  1. ID・パスワード方式で「確定申告書等作成コーナー」から電子申告
  2. e-Tax対応の会計ソフトから電子申告

①の方法は誰でも選択できます。

②の方法は、一部の方のみ可能。

ここで、自身が選べる方法を知るために、次の2つの質問に答えてください。

A.「あなたは、マイナンバーカードを持っていますか?」

B.「あなたは、e-tax対応の会計ソフトを使っていますか?」

この2つの質問の答えによって、電子申告の方法の選択肢が変わってきます。

  • A. 「いいえ」、B. 「いいえ」 ⇒ 以下の1.を読んで下さい。
  • A. 「いいえ」、B. 「はい」 ⇒ 以下の1.を読んで下さい。
  • A. 「はい」、B. 「いいえ」 ⇒ 以下の2.を読んで下さい。
  • A. 「はい」、B. 「はい」 ⇒ 以下の3.を読んで下さい。

マイナンバーカードがない場合

この場合の選択肢は、確定申告書等作成コーナーで電子申告(ID・パスワード方式)のみです。

これだとわからないので、以下の通り3つに分解して、それぞれの意味を解説していきます。

  • (a) 確定申告書等作成コーナー
  • (b) 電子申告
  • (c) ID・パスワード方式

(a) 確定申告書等作成コーナーとは?

確定申告書等作成コーナー」は、国税庁による公式の確定申告・電子申告(e-Tax)サイト。

以下の特徴があります。

  • 画面に従って金額等を入力すれば、申告書や決算書などを作成できる。
  • 作成した申告書などは、印刷して提出またはe-Taxで提出できる。

(b) そもそも電子申告(e-Tax)って何?

電子データで作成した確定申告書を電子データのまま提出(インターネット上で送信)するのが、電子申告です。

そして、国税庁の電子申告の仕組みをe-Taxといいます。

紙ベースの確定申告書を郵送または税務署に持参して提出する従来の方法と異なります。

(c) ID・パスワード方式とは?

電子申告で確定申告する場合、オンライン上で本人確認を行う必要があります。

ID・パスワード方式は、本人確認の方式のひとつ。

 

個人に付与されたIDとパスワードを使って本人確認を行う方式です。

ちなみに、本人確認の方法には、以下の2つの方法があります。

  • ID・パスワード方式
  • マイナンバーカード方式

マイナンバーカードを持っていない方は、必然的に、ID・パスワード方式になります。

ID・パスワード方式での電子申告の流れ

さて前置きが長くなりましたが、ID・パスワード方式による電子申告の流れは、以下の通り。

  • 手順①: 開始届出書の公式サイトに行き、開始届出書の作成・提出
  • 手順②: それにより、利用者識別番号(ID)と暗証番号(パスワード)を入手
  • 手順③: 作成コーナートップに行き、金額等を入力。確定申告書や決算書を作成
  • 手順④: 作成が済んだら、申告データをe-Taxで送信。

より細かい手順は、国税庁のe-Tax公式サイトの「ご利用の流れ」で詳しく解説されています。

これを見ながら電子申告を進めるのがよいです。

ちなみに、ID・パスワード方式で申告データを提出する場合、電子証明書や電子署名は不要なので、簡単です。

ゆるり会計士@海外在住

これがID・パスワード方式の最大のメリットとも言えます。

マイナンバーカードのみある場合

選択肢は2つ

マイナンバーカードは持っているけど、e-Tax対応の会計ソフトは持っていない場合。

この場合は、以下の2つの選択肢があります。

(i) 確定申告書等作成コーナーで電子申告(ID・パスワード方式)

 

(ii) 確定申告書等作成コーナーで電子申告(マイナンバーカード方式)

基本的には、ID・パスワード方式のほうが簡単なので、おすすめです。

ID・パスワード方式の電子申告のやり方は1.で解説したので、上に戻って読んでください。

以下ではマイナンバーカード方式を説明します。

マイナンバーカード方式の申告手順

マイナンバーカード方式の電子申告の手順は、以下の通りです。

  • 手順①: e-Taxの「受付システム ログイン」画面から、「マイナンバーカードの読み取りへ」のボタンを押して、ログイン。
  • 手順②: e-Taxアプリをまだインストールしていない場合は、画面にしたがい、インストールする(ブラウザがchromeの場合は、chromeウェブストアから、e-Tax Ap拡張の機能をインストール)
  • 手順③: 画面にしたがい、事前準備セットアップを行う。
  • 手順④: マイナンバーカードの読み取り。
  • 手順⑤: 作成コーナートップで金額等を入力。確定申告書や決算書を作成
  • 手順⑥: 申告データをe-Taxで送信。

①から④がマイナンバーカード方式に特有の手続き。

⑤と⑥の部分は、ID・パスワード方式の場合と同じです。

このうち③では、公的個人認証サービスであるJPKI利用者ソフトを使うことになります。

JPKI利用者ソフトは、地方公共団体情報システム機構が発行する、電子申告のための電子証明を行うソフトです。

また、④の読み取りの方法は、以下2つの方法があります。

  • ICカードリーダー(事前に購入が必要)で読み取り
  • 無料のスマホアプリ「マイナポータルAP」で読み取り

ICカードリーダーは、マイナンバーカードのデータを読み込むための端末です。

安いものだと2000円台くらいで買えます。

>> Amazonで購入できるので、評価の高い製品を選んで買うといいでしょう。

 


ソニー 非接触ICカードリーダー/ライター PaSoRi RC-S380

マイナポータルAPは、検索すれば見つかるので、アプリをダウンロードして使います。

【感想】マイナンバーカード方式は分かりづらい

さて、私も実際にマイナンバーカード方式を利用してみました。

率直な感想として、事前手続きの部分が長くて、やや分かりづらかったです。

ネットでも同じ意見が多いよう。

ゆるり会計士@海外在住

将来的にはもっと便利になるかもですが、現時点では他の方法をお勧めします。

e-Tax対応会計ソフトもある場合

選択肢は3つ

e-Tax対応の会計ソフトを使っている方は、以下の3つの選択肢があります。

(i) 確定申告書等作成コーナーで電子申告(ID・パスワード方式)

 

(ii) 確定申告書等作成コーナーで電子申告(マイナンバーカード方式)

 

(iii) e-Tax対応の会計ソフトの申告書データをe-Taxに送信 (マイナンバーカード方式)

このうち(i)と(ii)の方法は上の1.2.で解説しました。

(iii)が、会計ソフトを使う方法です。

会計ソフトを使った電子申告の手順

具体的な手順は会計ソフトによって違うので、各会計ソフトのFAQなどを見ながら進めましょう。

私自身は、freeeを使って電子申告を試してみました。

まず、マイナンバーカード方式で電子申告を行うには、利用者識別番号の取得と電子証明書の登録が必要です。

freeeの「電子申告開始ナビ」は、利用者識別番号の取得と電子証明書の登録のための専用サイト。

 

画面の指示に従って進めるだけでいいので、これを使うと手続きが簡単でした。

 

>> freeeの電子申告開始ナビ

freeeで電子申告を行う一連の流れを理解するには、以下の記事をご参照ください。

以下の大手会計ソフトの中では、freeeが一番電子申告をしやすいようです。口コミを見ても、同じ意見が多かったです。

なお、freeeマネーフォワード(MF)クラウドの場合、マイナンバーカードの読み取りをスマホアプリで行うこともできます。

この場合、ICカードリーダーを買わなくて済むというメリットがあります。

マイナンバーカードの読み取り方法
  • ICカードリーダーで読み取る
  • スマホアプリで読み取る(freee、MFクラウド)

以下の記事では、freeeの電子申告アプリを使った電子申告の方法を説明したので、知りたい方はご参照ください。

【感想】会計ソフトで電子申告も便利

e-Tax対応の会計ソフトを使っている方には、(i)から(iii)の3つの選択肢がありました。

会計ソフトで作成した申告データをそのまま送信して電子申告したい方は、(iii)の方法がおすすめ。

 

それに対して、電子申告の手続き自体は、(i)の方法が一番簡単です。

ただし(i)の場合、ソフトで作成した確定申告書の数値を、国税庁の確定申告書等作成コーナーで手入力する手間があります。

【参考】電子申告(e-Tax)がお得な理由

電子申告もいいけど、紙の申告書で提出するほうが楽という人もいますよね。

特に、これまでずっと紙の申告書で提出してきた人は、そうでしょう。

ただ、青色申告をする人の場合、2020年からは電子申告しないと損になります。

ゆるり会計士@海外在住

ポイントとしては、電子申告なら、青色申告特別控除の金額が10万円多くなります。

以下で、詳しく解説します。

事業所得か不動産所得がある人が対象

青色申告特別控除は、帳簿書類を作成・保存することなどを条件に、事業所得または不動産所得の課税所得を減額できる(=節税できる)制度。

事業所得も不動産所得もない人は、青色申告特別控除を利用できません。

 

なので、電子申告しなくてもOKです。

事業所得か不動産所得で青色申告する人は、電子申告すべきです。

青色申告特別控除で10万円の差

2020年分の確定申告から、電子申告するかどうかで、青色申告特別控除の最高額が以下のように異なります。

  • 電子申告の場合: 65万円
  • 電子申告でない場合: 55万円

この比較から分かる通り、電子申告しないと、青色申告特別控除できる金額が10万円少なくなります。

多くの方は、所得税率5-20%、住民税率10%程度。

 

10万円の控除を取れないと、1.5万円から3万円ほど多く納税することになります。

1.5万円から3万円あれば、ちょっとしたお金の使い方ができますね。

不慣れな方も、がんばって電子申告するしかないですよね!

注意

青色申告特別控除を利用するには、税務署に「所得税の青色申告承認申請書」を事前に提出しておく必要ありです。

青色申告承認申請書の書き方について知りたい方は、以下の記事を参照ください。

>> 青色申告承認申請書の書き方【3つの落とし穴に注意】| 記入例あり

補足

なお、電子申告ではなく「電子帳簿保存」でも、65万円の青色申告特別控除を利用できます。

 

ただ、一般の個人事業主には電子帳簿保存はけっこう大変(詳しくは国税庁のFAQを参照)。

 

電子申告の方が簡単です。

なお、2020年分の確定申告は2021年2月16日から2021年4月15日までです。

ゆるり会計士@海外在住

以上、電子申告のメリットについての解説でした。

まとめ / おすすめの電子申告の方法

以上、いかがでしたでしょうか。

電子申告の全体像を把握できたのであれば幸いです。

おすすめの電子申告の方法は以下の通り。

  1. 国税庁の確定申告書等作成コーナーは、誰でも使えて、電子申告の手順も簡単です。
  2. e-Tax対応の会計ソフトを持っている方は、ソフトのアプリからも電子申告が可能。マニュアルに沿って進めれば難しくないです。