青色申告承認申請書の書き方【3つの落とし穴に注意】| 記入例あり

「青色申告するためには申請書を提出する必要があるって聞いたけど、簡単なの?」

 

「青色申告承認申請書を自力て記入・提出しようとすると大変?楽な方法があれば教えて下さい」

 

「青色申告承認申請書の書き方で、注意したほうがいいことってあるの?」

ゆるり会計士@海外在住

本記事は、そんな疑問に答えていきます。

私は公認会計士で、現在は海外在住ですが、日本と海外で10年以上税務業務をクライアントに提供してきました。

少しでもフリーランスや副業の方のお役に立てればと思い、このサイトを運営しています。

本記事のポイント
  • 青色申告承認申請書の作成は難しくないです。以下で、各欄の書き方を詳しく説明しました。
  • 書き方の需要な留意点3つを、以下でハイライトしています。損しない書き方があります。
  • 作成して提出するのは手間なので、専用のソフトを使った方が断然ラクになります。

青色申告承認申請書を提出すれば、青色申告のメリットを享受できます。

提出が遅れると、最悪の場合メリットを使えるのが翌年にズレてしまうで、早めに提出を済ませてしまいましょう。

所得税の青色申告承認申請書の書き方・記載例

書き方・記載例

以下が「所得税の青色申告承認申請書」になります。

国税庁のサイトでダウンロードまたは直接記入できます。

① ___税務署長
納税地を管轄する税務署名を記載します。納税地は、以下の③に従って決まります。管轄税務署は、国税庁のサイトで調べられます。

② __年__月__日提出
提出日を記入します。記入している当日の年月日を記載すれば問題ありません。

③ 納税地
「住所地」「居所地」「事業所等」のうち該当するものを選択し、下にその住所と電話番号(携帯電話の番号でもOKです)を記入します。

  • 住所地: 住民票のある住所のことです。原則として、住所地を納税地として記載します。
  • 居所地: 住民票とは別に主として居住する場合がある場合には、その住所を納税地として記載します。
  • 事業所: 自宅とは別の事務所で事業を行っている場合、その事務所を納税地として記載できます。

④上記以外の住所地・事業所等
原則として空欄で構いません。自宅と事務所が別にある場合や事業所が複数ある場合のみ、納税地以外の住所地や事業所を記載します。

⑤氏名
個人事業主であるあなたの氏名を記入します。印刷した申請書に、印鑑を忘れないようにしましょう。実印でなく認印で構いません。

⑥生年月日
自分の生年月日を記入します。

⑦職業
自分の仕事内容を書きます。副業やフリーランスの方ほど書き方に迷うかもしれません。一般的によくある職業としては、イラストレーター、ライター、デザイナー、Web制作、中古衣料販売、広告業、講師、家事代行業、などがあります。

落とし穴その1

職業によって、個人事業税の課税の有無が異なってくるため、注意してください。

個人事業税は、70種類ある「法定業種」(東京都のサイト)に該当する事業を行う個人事業主が、年290万円超の所得を得る場合に課されます。税率は3%から5%ですが、ほとんどの業種は5%です。  

多くの職業が「法定業種」に該当しますが、たとえば、ライター、翻訳業、漫画家、画家、音楽家、スポーツ選手、芸能人などは該当しません。  

ゆるり会計士@海外在住

実際には、確定申告書にも「職業」欄があり、その記載により、都道府県が個人事業税の課税の有無を判断します。

とはいえ、後で個人事業税を賦課されて驚いたりしないように、自分の職業が「法定業種」に該当するかを今の時点で知っておきましょう。

⑧屋号 
屋号とは、お店の名前など、個人事業に名称を付ける場合の名称のことです。屋号を特に持たなければ、空欄のままでも問題ありません。屋号について詳しく知りたい方は、コチラの記事をご参照ください。

⑨令和__年分以後の所得税の申告は、青色申告書によりたいので申請します。
個人事業を開始した年から青色申告を行いたい場合、その年をここに記入します。たとえば令和2年に個人事業を開始したのであれば「2」と記入します。

落とし穴その2

ただし、このように当年から青色申告を適用したい場合には、開業日から2ヶ月以内にこの申請書を提出する必要があります。

 

逆に言うと、開業日は提出日より前でもいいですが、提出日から2ヶ月以内の日を開業日とする必要があります。

 

申請書の提出が、開業日から2ヶ月を超えてしまうと、青色申告の適用が翌年からになってしまいます。

なお個人事業を開始した年の翌年以降にこの申請書を提出する場合は、その年の3月15日までに提出する必要があります。

 

たとえば、令和2年分から青色申告で行いたい場合、提出期限は令和2年3月15日です。

 

この日を過ぎると、青色申告を使えるのは、令和3年分からになります。

⑩事業所又は所得の基因となる資産の名称及びその所在地
上の③④以外にも事業所などがある場合のみ記載します。なければ空欄でOKです。

⑪所得の種類
家賃収入がある方は「不動産所得」にチェックします。「山林所得」は、山林の伐採による売上がある方が対象です。それ以外の方は「事業所得」を選択してください。

⑫いままでに青色申告承認の取消しを受けたこと又は取りやめをしたことの有無
過去に青色申告をしたことがなければ、「無」を選択しましょう。

⑬本年1月16日以後新たに業務を開始した場合、その開始した年月日
今年の1月16日以後に開業した方の場合のみ、開業日を書きます。

上記のとおり、当年から青色申告を適用したい場合、開業日から2ヶ月以内にこの申請書を提出する必要があるので、注意してください。

⑭相続による事業承継の有無
相続により事業を引き継いだ場合のみ、その日にちを記載してください。該当しなければ空欄にします。

⑮簿記方式
正規の簿記の原則にもとづく帳簿の付け方は「複式簿記」です。一方、「簡易簿記」は家計簿のように、お金の出入りを記録するものです。

落とし穴その3

55万円または65万円の青色申告特別控除を利用したい場合、複式簿記を選択する必要があります。

 

簡易簿記だと、10万円の青色申告特別控除しか利用できなくなります。

会計ソフトを利用すると、自動的に複式簿記を実行できます。

 

また、青色申告のメリットを最大限に享受するには、複式簿記である必要があります。

 

ですので、基本的に、複式簿記を選択して頂くことをお勧めします。

⑯備付帳簿名
経理などの経験がない方は、どれをチェックすればよいか判断がつかないと思います。

必要最低限の対応としては、仕訳帳、総勘定元帳は、複式簿記における帳簿の根幹をなすものですので、必ずチェックしてください。  

また、パソコンなどを含め、固定資産を持つ可能性がある方がほとんどだと思いますので、固定資産台帳もチェックしましょう。
  • 仕訳帳: 事業で発生する全ての取引を、勘定科目を用いた仕訳の形式で記録する帳簿です。
  • 総勘定元帳: 仕訳帳の内容を勘定科目ごとに集計し、各勘定科目のすべての取引と残高を記録する帳簿です。
  • 固定資産台帳: パソコンや作業用の机・椅子など、所有する固定資産の詳細を記録する帳簿です。

⑰その他
空欄でOKです。何か補足説明が必要と判断した方のみ記載してください。

⑱関与税理士
税務業務を依頼している税理士がいなければ、空欄でOKです。  

 

以上、いかがでしたでしょうか。

少し迷う項目もあったかもしれませんが、青色申告承認申請書に何を記載すればよいかがお分かり頂けたと思います。

 

落とし穴3点のまとめ

上記で触れた青色申告承認申請書の落とし穴3点。改めてポイントをまとめると、次のとおりです。

  • ⑦欄: 職業によって、個人事業税の課税の有無が異なってくるため、注意してください。
  • ⑨欄: 当年から青色申告を適用するなら、開業日から2ヶ月以内に提出する必要あり。開業日は逆算で決めよう。
  • ⑮欄: 55万円または65万円の青色申告特別控除を利用したい場合、複式簿記を選択する必要があります。

上記の点に注意して、青色申告承認申請書を作成してください。

 

税務署への提出方法 | 税務署に持参、郵送、電子申告(e-tax)

青色申告承認申請書の書き方に続いて、その提出方法についても解説しておきます。

提出用と控えを作成

ひとつ重要な留意点として、手元に1部控えを残しておいたほうが良いため、提出用と控えを作成するのが望ましいです。

ゆるり会計士@海外在住

控えにも税務署の受領印をもらうことができ、提出した証拠になるので安心です

提出先の税務署への提出方法

提出の仕方は、(1)税務署に持参、(2)郵送、(3)電子申告(e-Tax)の3通りの方法があります。

経費になるものの主な例
  • (1) 税務署に行って直接提出するのが分かりやすいので、お勧めです。特に、最寄りの税務署に行ったことがない方は、行ってみて雰囲気を知っておくのはいいことだと思います。
  • (2) 郵送で提出することもできますが、この場合は、自宅住所を記載した返信用の封筒と切手も同封する必要があります。
  • (3) 電子申告(e-Tax)で提出することもできます。電子申告のやり方は、こちらの記事をご参照ください。

提出にあたっては、本人確認書類の提示(持参の場合)、または写しの提出(郵送の場合)が必要になりますので気をつけてください。

>> 本人確認書類(写)添付台紙

詳しくは国税庁のサイトで説明されています。

開業届も提出(まだの場合)

開業届をまだ提出していない方は、青色申告承認申請書の提出と同時に、開業届の提出も必要です。

開業届の書き方など、開業届について知りたい方は、以下の記事をご参照ください。

>> 開業届の書き方・記載例 | フリーランスや副業の方むけに会計士が解説

まとめ: 開業freeeを使うと効率的

少しでも効率的に開業届を作成したい方は、会計ソフトで有名なfreeeによる開業freeeを利用するとよいでしょう。

開業freeeは、質問に答えていくだけで自動で青色申告承認申請書を作成してくれるので、負担が軽くかつ安心です。  

また、青色申告承認申請書だけでなく、開業届も同時に作成できるのも便利なところ。

ゆるり会計士@海外在住

自力で記入や提出しようとすると負担も大きいので、開業freeeを使う方が増えています。

開業freeeの使い方については、別の記事で詳しくまとめましたので、ご参照ください。

開業freeeなら無料で開業届を簡単に作成!使わないと損する理由3つ

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